パンドラの箱

Pray for japan

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震災から今日でちょうど一カ月。我々日本人にとって、この一カ月間ほど「命の尊さ」「将来への不安」「己の無力さ」「自然への畏怖」「家族や仲間に対する感謝の気持ち」、そして「日本人としての誇り」を、複雑な感情が入り混じる中で真剣に向き合ったことはないでしょう。

そしてこの一カ月間、色々な人の発言や行動が、色々な形でニュースになりました。私たちの心を打った、無数の献身的な行動。「売名行為では?」と疑ってしまうような、いぶかしげな言動を取る著名人。バッシングの嵐を受けた、長田大阪府議員や読売巨人軍の清武代表。

歯に衣着せぬ石原都知事は、今回の震災を「日本人の我欲に対する天罰」と言い放ちました。何の罪もない中、不幸にも被災された方々の心境を察すれば、これは暴言でしょうし、配慮を欠いた発言です。一方、今回の震災は、「原発問題」「有事の際の政治力」「日本経済への影響」等、私たち全ての日本人の将来に大きな影響を及ぼす震災へと発展しました。その観点から捉えれば、確かに我々は、石原知事の言う通り、「自然は制御できるもの」「自分さえよければ、他人は二の次」「貧すれば鈍する」状態になっていたような気もします。

「パンドラの箱」という、ギリシャ神話があります。その箱は、予見能力のある神プロメテウスが平和な世界を作るため、「病気、盗み、ねたみ、貧困、悪だくみ」等、世の中のあらゆる悪を閉じ込めた箱です。プロメテウスの弟エピメテウスは、兄とは異なり予見能力ゼロ。そして、兄から制止されていたにも拘わらず、絶世の美女パンドラと結婚します。好奇心の塊でもあるパンドラは、その箱の美しさに惹かれ、エピメテウスに箱を開けるようおねだりをします。兄からは絶対に開けてはいけないと警告されていたものの、美しいパンドラにおねだりされ、エピメテウスは思わず箱を開けてしまいます。その後、箱から飛び出したあらゆる悪が、世界に蔓延。しかし、そこはさずがプロメテウス。箱が開けられてしまうことも予見し、あらゆる悪と一緒に、「希望」もしっかり入れておいたのでした。

図らずも、私たちの慢心が原因で、今回パンドラの箱が開いてしまったのかもしれません。非常に大きな試練が待ち受ける私たちにとって、プロメテウスが入れてくれた「希望」は何なのか?私個人的には、日本人の持つ、「チームワーク・結束力」「相手の気持ちをおもんぱかる心」「貧しても心は鈍しない武士道精神」「相手の弱みに突けこまない気位の高さ」だと思います。突き詰めれば、私たちの原点である「島国農耕民族精神」を集結し、精神的にも経済的にも意気消沈気味の日本を元気にさせることではないでしょうか?

Take action for JAPAN

Take action for JAPAN

海外支援部隊の人たちが被災地に行き、一様に絶賛しているのが、被災地で略奪や強盗が起きていないこと。私たちにとっては当たり前でも、他の国々では、被災地での略奪強盗が頻繁に起きるのでしょう。

この話を聞くたびに、私はベネズエラ人の友人の話を思い出します。彼はベネズエラの首都カラカスに住んでいるのですが、他の中南米都市同様、カラカスの治安は良くありません。ある日の白昼、彼が市内をバイクで走行していたところ、ハンドルを取られて横転してしまったそうです。バイクから投げ出され、路上でうずくまっている彼に、すかさず数人の人たちが駆け寄ってきたとのこと。そして彼らが取った行動は、残念ながら私の友人を助けることではありません。一人は彼のポケットから携帯電話と財布を略奪し、別の人間は動けない彼の腕から時計を略奪し、その場から逃げ去ったのでした。

この話を聞いた時、同じ人間として、何とも言えない寂しく空虚な気持になりました。更に追い打ちをかけたのは、その追剥強盗に対する、友人のコメント。「カラカスでは、自分の身は自分で守るのが大前提。動けなくなって追剥に遭うのは仕方ないことなので、責任はやはりバイクで転んだ自分が悪い」と、サラっと言うのでした。これを達観というべきか、余りにも悲しすぎるというべきか、日本で生まれ育った私には到底理解できない彼の価値観に接した時、日本人の美徳を改めて実感しました。

この美徳こそ、元気で明るい日本の未来を再興するための源泉であり、希望であることを、今回の震災を通じて学びました。

お金も力もない、私を含めた大半の日本人は、ニュースになるようなスケールの大きい義援活動は出来ないでしょう。しかし、私たち1億2千万の一人ひとりが今回の震災で感じたことや学んだことをしっかり心に刻み込み、小さいことでも前向きに、そして継続的に動き始めたら、日本の未来は決して捨てたものではありません。

私が今すぐにできること。私を生み、育ててくれた親への感謝を深めること。私の人生を支えてくれている、周囲の人たちや社会への感謝を深めること。日本人として生まれたことに誇りを持つことが出来、今まで平和に生きることができた日本への感謝を深めること。夢と希望を抱きながら、目の前にある私のやるべきことを、必死になって取り組み続けること。

夢や希望をイメージすると、心に勇気が湧いてきます。がんばろう、日本!!

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