有終の美

京都 雪

前回、春の訪れ宣言をした矢先、京都は再び冬の世界へ。夜半過ぎからの降雪で、今朝(3月4日)の京都は銀世界。今年の”冬”は、結構しぶといです。京都市内の雪は根性がないので、昼前には恐らく溶けてしまうでしょうが、それにしても今年は雪が多いですね。やはり異常気象なのでしょうか?

日本では関東と関西にしか住んだことがないので、北陸地方等の厳しい寒さを経験したことはありません。一方、海外では、俗に言う「極寒」都市で何年か生活をしていました。特に米国シカゴの冬は、恐らく日本の樺太のような寒さではないでしょうか?冬場の平均最低気温はマイナス10度以下。寒い日は平気でマイナス20度まで下がります。そして、シカゴの曲者は、カナダからの冷たい風が氷結したミシガン湖を渡り、シカゴの街に吹き付ける「極寒風」。気温―20度に極寒風が加わり、体感温度は何とマイナス50度!北極並みです。昔、凍ったバナナで釘を打つ、石油会社のCMがありました。まさに、あの世界。Mr.インクレディブルというピクサー映画がありますが、その中に出てくる、全てを氷結させる「フレゾン」の世界です。少しでも湿気があると、容赦なくバリバリに氷結します。シャワーを浴びた後、髪の毛をしっかり乾かさないで外へ出ようものなら、一瞬にして髪は氷結ドレッドヘア。こんな極寒都市が、全米No.3の都市なのですから、米国はやっぱり懐が深いです。

京都 雪

シカゴほどではないにしろ、ニューヨークやドイツ・ハンブルグという、日本の北海道のような寒冷地でも生活をした経験があります。では、シカゴやハンブルグと京都での生活を比較した場合、どちらが寒いかと問われれば、「京都!」という即答になるでしょう。外気は勿論シカゴのほうが圧倒的に冷たいですが、生活が全て自動車移動で成り立っている都市(国)です。我慢しなければいけないのは、駐車場までの歩行時間と、車が温まる数分間。そして、決定的な違いは家の中。シカゴにしてもハンブルグにしても、家の中は部屋の隅々までセントラルヒーティング。冬場も室内ではTシャツ一枚でOKです。

京都 雪

そして、寒冷地生活者にとって一番の悩みの種は「雪」。京都市内のように、偶に降っても直ぐに溶けてしまう雪なら風情があってよいですが、北陸地方のように除雪作業が伴う雪は大変です。私の住んでいたシカゴやハンブルグでは、幸か不幸か、寒過ぎて、雪はあまり降りません。雪が降る日は、暖かい日なのです。逆に、雲ひとつない青空が広がった冬の晴天日は要注意。外は大概凍てつく寒さです。降雪するのは年に10日程度だった記憶です。

という訳で、海外で冬の寒さに苦労した経験はありません。が、ハンブルグでの積雪には苦労させられました。ハンブルグでは郊外の住宅街に住んでいたのですが、条例により、家の前の公道は、家主が除雪する義務となっているのです。条例なので法的義務はないのですが、そこは規則を重んじ、ルール化が好きなドイツ人。さぼって除雪をしない日には、近所からクレームが飛んできます。そして何より、公道を通行する歩行者がもし転んで怪我をした場合、その責任は除雪作業を怠った家主が負う法律です。いかにも”ドイツ”という感じで。

「冷たい雨が、夜更け過ぎから雪に変わり…」というと、山下達郎のクリスマスソングに出てきそうでロマンチックですが、ドイツで生活する男性諸氏には頭痛の種。翌朝6時前に目覚ましをセットし、通勤前に一仕事。ドイツの雪の日の早朝は、ラジオ体操替わりに、「ガッガッガッガ、シャッ」という、あちこちから聞こえる雪掻き音の輪唱で一日が始まります。

風情ある京都の冬は、今年は充分堪能しました。既にちょっと食傷気味。有終の美を飾るためにも、冬もそろそろ美しい引き際を考える時期がきているようです。

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